稼働率: パフォーマンスを追跡、計算、向上させる方法

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2025年5月8日
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まとめ

稼働率とは、使える時間のうち、どれほどの時間が請求可能な仕事に費やされたのかをパーセンテージで表すものです。 稼働率は、チームメンバーの請求可能時間 (作業した時間) の合計を、チームメンバーの作業可能時間 (勤務時間) の合計で割ることで計算できます。 この記事では稼働率の計算方法と、無駄な仕事や過剰なホウレンソウなどの「仕事のための仕事」を減らしてチーム全体の稼働率を上げる方法についてご紹介します。

プロジェクトをスコープ内にとどめつつ、高い顧客満足度を維持するには、さまざまな成功指標をトラッキングする必要があるでしょう。 あなたの会社がクライアントから依頼された仕事を請けている場合は、おそらく請求可能時間に関する成功指標があるはずです。 クライアントへの請求が利益に直結するからです。 チームメンバーの稼働率を把握すれば、会社の持つ時間に対する請求可能時間の割合を確認できます。 

タスクの中には社内の運用に関するものもあるため、すべてのタスクに対して支払い請求するわけにはいきません。 稼働率を計算することで、チームが収益性のある仕事に費やせる時間がわかります。 この記事では、稼働率の計算方法と、無駄な仕事や過剰なホウレンソウなどの「仕事のための仕事」を減らしてチームの稼働率を上げる方法についてご紹介します。 

稼働率とは?

稼働率とは、使える時間のうち、どれほどの時間が請求可能な仕事に費やされたのかをパーセンテージで表すものです。 稼働率は、チームメンバーの請求可能時間 (作業した時間) の合計を、チームメンバーの作業可能時間 (勤務時間) の合計で割ることで計算できます。 たとえば、以下のように計算できます。 

  • 1 人のチームメンバーの 1 週間の勤務時間が 40 時間であり、1 週間で 34 時間分の作業をクライアントに請求する場合、そのメンバーの稼働率は 85% となります。

稼働率とは?

稼働率を追跡することの重要性

ここで注意しなければならないのは、社内の業務もあるため、チームメンバーの稼働率が 100% になることはないということです。 チーム会議、電話、トレーニング、請求可能な作業の健全なバランスを保つことが重要です。 

したがって、稼働率を計算し、トラッキングする目標は稼働率を 100% にするためではありません。 「仕事の解剖学」インデックスによると、平均的なナレッジワーカーは勤務時間の 60% を情報の検索、承認リクエストの確認、アプリの切り替えなど「仕事のための仕事」に費やしています。 この不要な仕事のための仕事を減らすことで、チーム全体の稼働率を上げ、よりインパクトの大きな仕事に費やせる時間を増やせます。

[製品 UI] 必要に応じてチームの仕事量を調整する (ワークロード)
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稼働率の計算方法

チームメンバーの稼働率を計算すれば、会社の全体的な収益性がわかります。 チームメンバー 1 人の稼働率の計算は簡単ですが、会社が理想とする数値を計算するには、いくつかの計算式を使う必要があります。​​

稼働率の計算方法

1. 稼働率の計算式

チームメンバーの稼働率を計算するには、以下の基本的な稼働率の計算式を使います。 

  • 稼働率の計算式: (請求可能な時間数 ÷ 勤務時間)

たとえば、1 人のチームメンバーの 1 週間の勤務時間が 40 時間であり、1 週間で 32 時間分の作業をクライアントに請求する場合、そのメンバーの稼働率は 80% となります。

チームメンバーの稼働率は役職や生産性によって異なるため、チームメンバー 1 人の稼働率を計算するだけでは不十分です。 チームメンバー全員の稼働率をトラッキングして、会社のパフォーマンス状況をより正確に把握しましょう。 

仕事のための仕事を減らすことが、稼働率アップにつながる理由

チームや部署の稼働率が低い場合は、会社で使っているツールやプロセス、期待要件などを確認してみましょう。 稼働率が低い場合、それはチームメンバーがほとんどの時間を請求対象外の仕事に費やしていることを意味します。 どんなことに時間が費やされているのでしょうか? アプリの切り替えや手作業など、仕事のための仕事は適切なツールやプロセスがあれば減らすことができます。 

たとえば、平均的なナレッジワーカーは 1日に 10 個のアプリを最大 25 回切り替えながら使っていることがわかっています。 このアプリの切り替えによって生産性が下がり、それが稼働率の低下につながっているとチームメンバーから報告があったなら、アプリを統合できる Business ツールを探してみましょう。 複数のアプリを連携させてまとめることで、チームメンバーはツールの切り替えで貴重な時間を失うことなく、仕事の完了に必要なすべての情報を簡単に見つけられるようになります。 

ヒント:タイムトラッキングツールを使えばチームメンバーの指標を整理でき、計算も簡単です。 また、計算から得られるデータも正確で、計算のミスも見つけやすく、修正しやすいのでおすすめです。   

2. キャパシティ稼働率

キャパシティ稼働率とは、チームメンバーの稼働率を平均したものです。 この計算式を用いることで、リソースコストを回収し、利益を上げることができるかどうかを確認できます。

  • キャパシティ稼働率= チームメンバーの稼働率の合計 ÷ チームメンバー人数の合計

会社のキャパシティ稼働率を計算するには、すべてのチームメンバーの稼働率を合計し、それをチームメンバーの人数で割ります。 

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3. 適正請求レート

チームのキャパシティ稼働率を計算したら、今度はそのデータを使って、利益を上げるためにクライアントに請求すべき金額、つまり適正請求レートを計算しましょう。 

リソースコスト、間接費、利益幅 (マージン) を合計します。 リソースコストとは、人件費や直接材料費、生産費などです。 間接費はチームメンバー 1 人あたりの金額を加える必要があります。 利益幅とは、Businessにかかるコストを超える利益分ですが、これも達成したい利益幅に基づいて加えます。 

通常利益幅はパーセンテージで表しますが、ドルで表すためにはリソースコストと間接費を使って以下の計算式で計算する必要があります。 

  • ドル単位での利益幅 = (リソースコスト + 間接費) x パーセンテージ単位での利益幅

  • 適正請求レート= ( (リソースコスト + 間接費 + 利益幅) ÷ 平均労働時間の合計 ) ÷ キャパシティ稼働率

たとえば、従業員一人あたりの人件費が 50,000 ドルで、10,000 ドルの間接費がかかり、適正利益幅が 25% だとすると、適正利益幅はドル単位では (50,000 ドル + 10,000 ドル) × 0.25 = 15,000 ドルとなります。そして平均労働時間の合計を 1,000 とすると、2 つ目の計算式の分子は 75 になります。 キャパシティ稼働率が 0.80 の場合、1 時間あたりの適正請求レートは 94 ドルということになります。 

  • 適正請求レート= [($50,000 + $10,000 + $15,000) ÷ (1,000)] ÷ 0.80

4. 理想的な稼働率

キャパシティ稼働率を計算することによってチームメンバーの労働時間の合計に対する支払い請求時間の平均が得られますが、この計算式ではその平均値が会社のコストと比較して理想的な値であるかどうかはわかりません。 収益性を高めるうえで理想的な稼働率を知るには、以下の計算式が最適です。

  • 理想的な稼働率= (リソースコスト + 間接費 + 利益幅) ÷ (勤務時間の合計 x 適正請求レート)

理想的な稼働率を計算するには、まずリソースコスト、間接費、利益幅の合計を出して、それを勤務時間の合計と最適な請求レートの積で割ります。

上記の例を使って計算すると、この計算式の分子は 75,000 ドルになります。 そして分母となる 1,000 x 94 を計算すると 94,000 になります。最後に 75,000 ドルを 94,000 で割ると理想的な稼働率が出せます。この場合は四捨五入で 80% となり、 この場合、キャパシティ稼働率と理想的な稼働率が一致していることがわかります。

  • 理想的な稼働率= [($50,000 + $10,000 + $15,000)] ÷ (1,000 x 94)

稼働率をトラッキングする方法

稼働率を追跡することは、請求可能な作業と請求不可能な作業の健全なバランスを維持し、収益性を確保し、従業員の燃え尽き症候群を防ぐために不可欠です。 稼働率を効果的に追跡し、一貫してモニタリングするには、ワークロード管理ソフトウェアの使用を検討しましょう。

稼働率のトラッキングに最適なのが、Asana のようなワークロード管理ツールです。 Asana のようなワークロード管理ソフトウェアを使うと、誰がいつまで何をしているのか簡単に確認できるので、バランスを取りながら燃え尽き症候群も防ぐことができます。 それぞれのチームメンバーがどれだけの仕事を抱えているのかもはっきり確認できるため、勤務時間を超過しないよう効果的にチームのワークロードを管理できます。

ワークロード管理ソフトウェアに求められる主な機能は次のとおりです。

  1. タイムトラッキング:従業員が請求可能な時間と請求不可能な時間を簡単に記録できるようにします。

  2. リアルタイムの可視性:各チームメンバーの現在のタスク、締め切り、割り当てられた時間に関するインサイトを提供します。

  3. カスタマイズ可能なレポート:個人、チーム、プロジェクト、期間ごとの稼働率を確認できるレポートやダッシュボードを提供します。

  4. キャパシティ計画:将来の仕事量を予測し、それに応じてリソースの割り当てを調整できます。

  5. 連携:既存のプロジェクト管理ツールや請求ツールと連携して、ワークフローを効率化できます。

ソフトウェアの使用に加え、チームメンバーと定期的に確認会議を行い、仕事量について話し合い、必要な調整を行いましょう。 この積極的なアプローチは、従業員の満足度を確保しつつ、最適な稼働率を維持するのに役立ちます。

ワークロード管理ソフトウェアを、定期的なコミュニケーションやデータに基づく意思決定と組み合わせることで、稼働率を効果的に追跡し、最適化することができます。その結果、組織の収益性と成功を促進できます。

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稼働率を上げるには

チームの稼働率の低さに納得がいかないこともあるかもしれません。 しかしその原因の多くは、よくないプロセス、一貫性のないコミュニケーション、複雑なツールなどにあります。 端的にいえば、稼働率の低さの原因は内部と外部のワークロードのバランスが崩れていることにあります。 ここでは、稼働率を上げる 4 つの方法をご紹介します。

稼働率を上げるには

稼働率を上げるために、以下のプロジェクトマネジメントプロセスを導入してみましょう。

  • 稼働率のベンチマークを設定する: ベンチマークを設定しなければ、チームメンバーは目指すべき稼働率がわかりません。 チームメンバーの役割に応じて、異なるベンチマークを設けることもできます。 たとえば、デザイナーの稼働率のベンチマー��は、人事部の部長の稼働率のベンチマークよりも高くなるでしょう。デザイナーは通常クライアントと直接連携しており、請求対象の時間も多くなるためです。 理想とする請求レートに基づいてベンチマークを設定する必要があります。

  • 会社全体の稼働率をモニタリングする:会社全体で稼働率のトラッキングを行うことで、キャパシティ稼働率はどのくらいなのか判断がしやすくなり、チームメンバーの時間が足りているのか、そうでないのか確認できます。 また、全社規模でトラッキングを行うと他のチームの時間が余っているかどうかも確認できるため、フリーランスを雇わずに請求可能な作業を完了できる可能性があります。 

  • 仕事のための仕事を減らす:仕事のための仕事を減らすことは、稼働率を上げるうえで非常に重要です。 社内業務に費やす時間はゼロにはなりませんが、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスタイムマネジメント術を取り入れることで、無駄な仕事に費やす時間を減らせます。 仕事のための仕事の例としては、仕事に関するやりとりや、情報の検索、アプリの切り替え、変化する優先順位の管理などが挙げられます。

  • タイムトラッキングツールを使用する:特定のクライアントにタスクの料金を請求したり、会社のスケジュール内にタスクを予定したりすることができるため、タイムトラッキングツールは稼働率の向上になくてはならないものです。 時間を管理することは、チームメンバーが時間の使い方を意識して、それぞれのベンチマークに到達できるよう心がけるきっかけにもなります。 各メンバーが仕事にかかった時間を入力したら、その情報を一つの大きなデータセットとして分析しましょう。

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稼働率の例

稼働率は、収益性やリソース管理に直接影響するため、サービスベースのBusinessにとって重要な指標です。 企業が従業員の稼働率を向上させ、結果として全体的なパフォーマンスを向上させる方法を示す 2 つの仮想例を見てみましょう。

例 1: ABC 法律事務所

ABC 法律事務所は、75 人の弁護士を擁する中規模の法律事務所で、クライアントが絶え間なく増えているにもかかわらず、成長が停滞していました。 請求可能な稼働率を分析したところ、平均稼働率はわずか 55% であることがわかりました。 同事務所は、この低い稼働率が、非効率的なプロセスとリソース稼働率の可視性の欠如に起因することを認識しました。

これらの問題に対処するために、ABC 法律事務所は以下の変更を実施しました。

  • 包括的な時間追跡とプロジェクト管理ソフトウェアに投資し、請求可能な時間を正確に監視し、改善すべき点を特定する。

  • 各弁護士の経験と業務分野に基づいて明確な稼働率目標を設定し、請求の効率を最適化。

  • 不要なタスクを最小限に抑え、プロセスを効率化するために、請求不可能な時間の定期的なレビューを実施。

これらの取り組みに焦点を当てることで、ABC 法律事務所は 1 年以内に平均稼働率を 75% に引き上げることに成功しました。 この改善により、収益が 25% 増加し、同事務所は専門サービスをさらに向上させるために追加のサポートスタッフを雇うことができました。

例 2: XYZ マーケティングエージェンシー

XYZ マーケティングエージェンシーは、従業員数が中程度の成長中のブティックエージェンシーで、クライアントの締め切りに間に合わせることや、収益性を維持することに苦労していました。 同社の経営陣は、従業員の稼働率が高すぎるため、従業員が過労になり、仕事の質が低下しているのではないかと考えていました。

稼働率を追跡したところ、平均稼働率は 95% であり、疑念が確認されました。 XYZ マーケティングエージェンシーは、この状況を改善するために次のような手順を実行しました。

  • 各プロジェクトに必要な時間とリソースに合わせて料金体系を調整する。

  • フルタイムの従業員とフリーランスを追加で雇用し、仕事量をより均等に分散させ、稼働率を低下させる。

  • クライアントの仕事に対する期待が現実的で達成可能であることを確認するために、より厳格なプロジェクトスコーピングプロセスを導入した。

平均稼働率を 80% に引き下げたことで、XYZ 株式会社は従業員の士気と仕事の質が大幅に向上したことを確認しました。 顧客満足度は 20% 向上し、プロフェッショナルサービスの質を損なうことなく、より多くのプロジェクトを引き受けられるようになりました。

これらの稼働率の例は、企業が業務における非効率性を特定して対処し、最終的には財務パフォーマンスの向上と成長機会の拡大につなげる方法を示しています。 勤務可能な合計時間と請求可能な時間数を監視し、最適な稼働率を目指すことで、リソース管理と予測の能力を向上させることができます。

仕事のための仕事を減らして稼働率をアップさせましょう

稼働率は、チームメンバーや会社のパフォーマンスを評価するために、把握しておくべき重要な指標です。 稼働率が高ければ、運用コストを回収しやすく、継続的に利益を増やすことができます。一方で稼働率が低い場合は、プロセスに何らかの問題があるサインかもしれません。 

全体の稼働率を把握するには、チームメンバーにかかった時間を報告してもらい、しっかりとしたプロセスを導入するのが最適です。 チームメンバーが請求対象とそうでないタスクにかかった時間をリアルタイムで報告できれば、リソースを管理しやすくなり、タイムマネジメントに関してもより明確に把握できます。

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よくある質問: 稼働率

良好な稼働率とは? 理想的な稼働率は通常 70% から 80% です。 この範囲は、請求対象の仕事と、トレーニング、管理タスク、チームミーティングなどの請求対象外の必須のアクティビティのバランスを取るのに適しています。

稼働率はどのくらいの頻度で確認すべきですか? 稼働率は、週次または月次で追跡する必要があります。 定期的にモニタリングすることで、傾向を把握し、仕事量、料金設定、リソースの割り当てを適時に調整し、収益性や従業員の健康に影響を与える可能性のある問題に積極的に対処できます。

稼働率が 100% を超えることはありますか? はい。従業員が残業したり、通常のスケジュールよりも長い時間を請求したりした場合、稼働率が 100% を超える可能性があります。 ただし、稼働率が常に 100% を超えている状態は持続可能ではなく、リソース計画の不備、人員不足、またはクライアントの期待が非現実的であることを示している可能性があります。

稼働率はプロジェクトの収益性にどのような影響を与えますか? 稼働率は、請求可能な時間と請求不可能な時間のバランスに影響を与えることで、プロジェクトの収益性に直接影響します。 稼働率を最適化することで、従業員の満足度と仕事の質を維持しながら、プロジェクトの収益性を確保できます。

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